シボレーのスクエアボディなEVバン
いまでもアストロが走っていると、助手席にガン黒ギャルが乗っていないか確かめてしまう気もち、とてもよくわかります。なにしろ、シボレー・アストロが大流行した1990~2000年代といえば、黒ギャルやシノラーが厚底ブーツで闊歩していたのと重なるわけで、どうしても印象がダブりがち。となると、同じくGMが生み出したEVミニバン「ブライトドロップ」は、アストロの再来とばかりにサブカル旋風を巻き起こしてくれるのでしょうか。

GMの電気自動車バッテリープラットフォームを活用した商用EV「ブライトドロップ」は、ニーズに合わせて簡単にカスタマイズできる内装や、大きなフロントガラスと高い座席ポジション、それでいて乗り降りしやすいステップインなど、ビジネスドライバーにとっては願ったりかなったりな1台。ラストワンマイルの配送をターゲットにしているものの、航続距離やペイロードの大きさなど、本格的な業務にも十分応えられるパフォーマンスを誇ります。
もともと、ブライトドロップはGMが独立した商用EV専門ブランドとして2024年に立ち上げたもの。より効率的で持続可能な商品配送を実現することを目的として、商用EVをはじめ、スマートeカート、およびソフトウェアの提供をビジネスの柱に据えていました。メインとなる車種もブライトドロップを名乗り、FedExやウォルマートなどの大手企業が配送フリートに導入するほか、商業利用の枠が広がりつつある模様。

ホイールベースの長さによって400と600の2モデルをラインアップし、いずれもバルクヘッドと縁石のドアが自動的に開閉するパワードアや、車内照明の点灯やドアのロック解除など、ドライバーの繰り返し作業を自動化するといった商用EVならではの工夫がなされているのがポイントでしょう。また、航続距離は、GMによる推定では最大約438km(270マイル)といいますから、ラストワンマイルといえども広大なアメリカらしく実用性はバッチリに違いありません。
なるほど、これなら我が国に導入されたら「電動アストロきたー!」とばかりに飛びつくユーザーも多いかと思いきや、なんとGMはブライトドロップの生産中止を発表してしまいました。2025年10月、同社のステートメントによれば、「短期的なEV導入計画が予想よりも少なくなることから、EV生産能力を見直す一環として、ブライトドロップバンのカナダ工場での生産停止を決定」とのこと。平たくいえば「予想より売れてないからブライトドロップやめるわ」ということで、以後は既存ユーザーに対するケアのみを続行する模様。

ブライトドロップを手に入れたら、ハイルーフやらリッチなインテリアやら想像を膨らませていた方には気の毒ですが、これから先は入手できたとしても維持していくことが限りなく難しくなるのかと。せっかくギャル・カルチャーも同時に再興するかと期待していた筆者としても、残念な気持ちでいっぱいです。



















































