10分充電で400分kmチャージできる究極の経路充電
EVの普及にあたっては充電インフラの整備は必要不可欠で、とくに経路充電と呼ばれる目的地までの移動途中に行う充電では、短時間で素早く完了することが求められる。
北米のCCS1、欧州のCCS2規格の充電器では、近年出力350kWクラスの機種が開発され、充電環境の改善が進められているが、日本国内独自規格のCHAdeMOの場合は高性能なものでも150kW、広く一般的に普及しているものは50kW前後が多数を占める状況で、車両側の充電受け入れ性能が著しく向上しているなかにあっては、少々不満を感じる状況と言える。
しかし、この状況もようやく改善しそうだ。e-Mobility Powerが経済産業省の補助金を受けて進めている、東名高速道路の海老名サービスエリア上下線の急速充電ステーションリニューアル事業に際し、同社と東光高岳が共同開発し、2025年に発表した次世代超急速充電器「SERA-400」を国内で初めて設置する計画であることが明らかとなったからだ。

SERA-400はその名が示す通り総出力は400kWに達しており、1000Vの高電圧に対応することで、CHAdeMO規格の急速充電器として世界で初めてひと口当たりの最大出力を350kWまで高めることに成功している。また、住友電気工業が開発した新型充電コネクタと細径化された充電ゲーブルを採用することで、高出力化による重量増を軽減し操作性を向上させていることも特徴のひとつ。
高電圧の急速充電に対応している車両の場合、理論値としては10分で最大58.3kWh分のチャージが可能で、車両の電費が7km/kWhの場合、約400kmの走行が可能になる計算なのだという。
現状では先行投資的な意味合いも
高電圧化の効果は極めて高いが、反面この350kWクラスのCHAdeMO急速充電器の恩恵にあずかれるクルマというのは、受け入れ能力の問題からCHAdeMO対応の800Vシステムを搭載したEVに限られ、現状の国内ラインアップではヒョンデのIONIQ 5のみということになる。

しかし、今後このような高出力タイプの急速充電器が拡充されれば、それに応じた車両が新たに誕生したり、例えばアウディe-tronのような既存の800Vシステム搭載車が改修を受けてアジャストしてくる可能性もあり得る。とにかくEVユーザーとしては歓迎すべきではあるのだが、海老名サービスエリアだけでなく、車両価格が高額にならざるを得ない800Vシステム搭載車の利用が見込めるスポットを十分見極めたうえで、適材適所に設置が進むことを期待したい。
なお、今回の事業では海老名サービスエリアの上下線それぞれに、従来型のSERA-120と新型のSERA-400の急速充電器が合わせて各3基、総充電口数としては各8口が設置され、上り線が2026年夏ごろ、下り線が2026年冬ごろからサービスを開始する予定だという。














































