コラム
share:

岡崎宏司の「EVは楽しい!」第2回:スタイリッシュなEVは、素晴らしいシティカーだった


TEXT:岡崎 宏司
TAG:

タウンエースで、初めてのEVドライブ

僕が初めてEVに触れたのは1980年代後半辺り。いずれもメーカーの試験車だが、実用化レベルにはほど遠いものだった。

正式販売されたものでは、1992年のトヨタ「タウンエース バンEV」が初。正式販売とは言っても、電力会社や地方自治体向けのいわば実証実験車の類だ。

ちなみにその実力は、最高速度85km/h、一充電走行距離(40km/h定常)160km/h、車両重量2000kg(ベース車の重量は1400kgくらい。鉛電池搭載で600kgほど重い)。そして、価格は800万円。

つまり、一般向けにはほど遠い代物。でも。それはそれとして、僕は、EVならではの走りの感覚に惹かれるものを感じた。

超ヘビーウェイトのタウンエースが、アクセルを踏み込んだ瞬間、間髪入れずにグイッと力強く発進する感覚…音もなく…これは内燃機関では味わえない感覚だった。

そんな経験をしてから4年ほど後の1996年、運輸省が産官学共同プロジェクト「次世代都市用超小型自動車研究会」を立ち上げ、僕は委員に任命された。

研究会では、積極的に発言し、持論を展開した。それゆえか、運輸省の方々とも親しくなり、個人的議論もよくした。

そして、同会がまとめた具体案に沿って、1997年の東京モーターショーには、複数のメーカーから試作車が展示された。

ハイパーミニが、わが家にやってきた

その中で、ひと際目立っていたのが日産の超小型EV「ハイパーミニ」。120kgのリチウムイオン電池を床下に積み、軽量なアルミスペースフレームのボディをもつ意欲作だった。

後にアウディに移籍し、大きな足跡を残した和田 智が担当したデザインも魅力的だった。

日産は、EVでは日本初の型式指定を取得、販売に踏み切った。そして、発売直後から3週間ほど、ハイパーミニはわが家に滞在することに。

わが家のガレージにはすでに200Vの電源を引いていたので、充電器もすぐ設置できた。

スタイリッシュな2シーターEVは、どこでも注目を浴びた。絶対的な性能はともかく、EVならではの瞬発力は気持ちがよかった。

サイズのコンパクトさを含めて、街乗りの使い勝手は文句なしだし、楽しくもあった。

わが家の日常的守備範囲内の移動には、ほとんどハイパーミニを使った。家内も楽しんでいた。「電気自動車って気持ちいいのね!」みたいなことも言っていた。

僕も「ほしい!」といった気持ちが過ったこともあった。でも我慢。その理由は航続距離だった。10・15モードでの公表航続距離は115km。だが、実際に使ってみての実力は「50km程度かな?」、といったレベル。

さらに、ハイパーミニを預かったのは冬の最中。近所を走るには問題ないが、遠路ではヒーターを切った。ヒーターが消費する電力はバカにならないからだ。

わが家から東京都心への往復はほぼ50km。

抑えて走れば往復できたが、真冬のヒーターオフはキツかった。でも、電池切れにヒヤヒヤするよりは寒い方がずっとマシ。

当時、公共の充電器の設置場所は限られていた。なので、とにかく「安全第一」に徹した。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本に何が起こった? BEVが売れない……ハズが2025年10月は電気自動車が売れまくっていた
エンジンサウンドが聞こえてシフトショックも感じられるEVが超進化! ヒョンデ「IONIQ 5 N」がマイナーチェンジ
60年もの不動車がバッテリー交換だけで走り出した! EVの長期保管はエンジン車よりも簡単!!
more
ニュース
軽EVラッコは航続200km超と300km超の2スペック体制確定! さらにBYDはふたつの新型PHEV投入で2026年の日本を席巻する【東京オートサロン2026】
全国28の拠点に試乗車の配備完了! ヒョンデに乗りたければオートバックスに行けばいい
日本でテスラに乗るなら充電インフラの心配は不要!? 「スーパーチャージャー」の国内設置が700基を超えていた
more
コラム
ついにEVのキモ「バッテリーボックス」が完成! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その8】
せいぜい2〜3時間の駐車でしょ? ショッピングモールなどにEV用200V普通充電が設置される意味
メルセデス・ベンツが全固体電池の実力を見せつけて1充電で1200kmを軽々走行! それでも全固体電池は絶対的な必要技術ではなかった
more
インタビュー
「BMWの核はセダン」。「i5」での表現は、BEV世代のセダンの在り方を示している。
「i5」の造形を、BMWエクステリア・デザイン責任者がディテールから語る
BMW「i5」はビジネスアスリート!プロダクトマネージャーが語る5シリーズ初BEVの背景
more
試乗
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
マイチェンで名前まで変わった「アウディQ8 e-tron」ってどんな車? [Q8 e-tron試乗記]
more
イベント
日本生まれの英国EVスポーツクーペや全幅1m切りの小型モビリティなどEVも元気! 会場で見つけた気になるEV一気見せ【東京オートサロン2026】
新型レクサスESがモデリスタ仕様で登場! ヒョンデはMIYAVIコラボで対照的なEV披露【東京オートサロン2026】
中国・東風汽車が日本上陸!? EVセダン「モンスタースポーツ007」日本導入で意味深発言【東京オートサロン2026】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択