ポッと出てパッと消えるEVベンチャー
そういえば、あのメーカーは最近どうなったのか? 一時期は雨後の竹の子のようにグローバルで急増したEV関連スタートアップに対して、そんなことを思う人がいるかもしれない。
そもそもEVは1900年代前半から米ニューヨークでEVタクシーが稼働するなど、自動車産業黎明期には一定のシェアをもっていた。それが、ガソリンエンジン車の急激な発達によって、EV関連の研究開発が置き去りになってしまう。

とくに、バッテリーについてはリチウムイオン電池が世に出るまでは、
2010年半ばにはテスラが「モデル3」を登場させて大ブレイク。また、EVを次世代自動車の中核と位置付けた中国政府がEVシフトを加速させるという流れが生まれた。欧米ではテスラに続けとばかりに、また中国では政府による政策実行を信じて数多くのEVスタートアップが誕生したという経緯がある。

そうした2010年代から2020年代前半にかけて、「EVはガソリン車やハイブリッド車に比べて構成部品が少ない」とか「気筒内燃焼の解析よりもモーター制御のほうが新規参入者でも対応しやすい」といった話がよく聞かれた。つまり、これまで自動車とのかかわりがない事業者でも、EVならば参入障壁が低いというイメージが世間に広まったといえる。
さらに、起業の資金も集めやすかった。ESG投資バブルが起こったからだ。財務情報だけではなく環境・ソーシャル(社会性)・ガバナンスを重視した投資を指す。2015年のCOP21(第21回 国連気候変動枠組条約 締約国会議)で採択されたパリ協定をきかっけにESG投資がグローバルで急拡大し、そのなかにEVが巻き込まれた形fだ。
そのため、EVスタートアップが資金調達しやすくなったというわけだ。また、国や自治体からの公的資金援助なども拡充したことも、EVスタートアップが次々と生まれた大きな要因だ。

だが、コロナ禍になってESG投資バブルは急速に縮小し、また欧州グリーンディール政策の見直しや、第2次トランプ政権によるEVへの逆風が吹き荒れているいま、EVベンチャーは生き残りをかけた戦いを繰り広げている。
EVスタートアップの真価が問われるのは、これからだ。


















































