EVヘッドライン
share:

4つ輪エンブレムじゃなく「AUDI」! VWは「ID.UNYX」! ワーゲングループが中国のZ世代獲得に動く!!


TEXT:桃田健史

フォルクスワーゲングループが中国で大変身

中国市場で展開される欧州車では、ブランドロゴから名称の表記に変わりつつある。この動きには、ブランドが新たな一歩を踏み出した挑戦の意思とも受け取れる。

そう聞いて、ある意味でオーソドックスな戦略とも受け取れるし、またなぜこのタイミングなのかという疑問を持つ日本のユーザーもいるだろう。

そもそも、フォルクスワーゲングループが中国市場への進出が本格化したのは、海外メーカーのなかではかなり早い1990年代からだ。当時の中国は、欧米や日本の自動車産業界にとっては未開の地であり、共産党政府での統制が厳しいなかでいわゆるカントリーリスクが高いといわれた時代だ。

そんなリスクを背負ってのフォルクスワーゲングループ中国進出は大成功する。2000年代半ば以降にBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)と米系証券会社が名付けた新興国のひとつとして中国が世界的な注目を集めるようになったが、ひと足早く中国社会に浸透したVWブランド(上海VW)は、市場から高い信頼を得るに至ったといえる。

当時、中国各地を取材した際、一般ユーザーの憧れのクルマは黒塗りのアウディ・リムジンだといわれていた。中央政府や地方政府のエリート高官らが使用していたからだ。ここでいうリムジンとは、アフターマーケットで改造されたものではなく、自動車メーカーが中国市場向けに専用設計したロングホイールベース車を指す。

その時代、中国国内でのクルマのトレンドは、アメリカン・ライフを感じさせるものや、富の象徴として大きなエンジンをもつことを強調するためにフロントグリルをデフォルメすることがメーカー各社のデザイナーに課せられた宿題であった。

そんな中国市場の急成長初期から20年弱が経過したいま、中国は世界最大の自動車製造・販売国であり、EVやレンジエクステンダーなど、最新電動車の販売台数でも世界を牽引する位置にある。また、2010年代後半以降には、中国ベンチャーや中国地場大手、さらにはHuaweiやXiaomiなど他業種を含めた多様な新ブランドが続々と立ち上がっては消えていく⋯⋯といった厳しい市場環境にある。

そうしたなか、中国では老舗海外ブランドを率いるフォルクスワーゲングループとしては、2030年代を見据えた中期経営計画のなかで、若い世代に焦点をあてたブランド戦略を実行に移したのだ。

急成長と急展開を繰り返す中国市場で、新たなるリスクを覚悟の上でフォルクスワーゲングループのチャレンジが始まった。

桃田健史

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本に何が起こった? BEVが売れない……ハズが2025年10月は電気自動車が売れまくっていた
エンジンサウンドが聞こえてシフトショックも感じられるEVが超進化! ヒョンデ「IONIQ 5 N」がマイナーチェンジ
60年もの不動車がバッテリー交換だけで走り出した! EVの長期保管はエンジン車よりも簡単!!
more
ニュース
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
日本にも来春やってくる韓国Kiaの商用EVバンが快挙達成! 「PV5」がアジアメーカー初の「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を満場一致で受賞
2025年度でもっとも優れた輸入車は日本で唯一の電動ミニバン! フォルクスワーゲンID.BUZZが「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」で二冠に輝く
more
コラム
衝撃のEVコンセプト16台を公開した衝撃の会見から4年! トヨタのBEV戦略の現在地とは
補助金で不利な輸入EVが売れるのはなぜ? BYDが実質100万円もの大幅値引きをできるワケ
中国IT企業の技術で競争力マシマシ! トヨタのEVセダン「bZ7」の気になる中身
more
インタビュー
「BMWの核はセダン」。「i5」での表現は、BEV世代のセダンの在り方を示している。
「i5」の造形を、BMWエクステリア・デザイン責任者がディテールから語る
BYDオートジャパン社長が考える日本進出戦略とは?[社長インタビュー:その 4]
more
試乗
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
マイチェンで名前まで変わった「アウディQ8 e-tron」ってどんな車? [Q8 e-tron試乗記]
more
イベント
軽自動車市場参入を表明したBYDの軽EVはスライドドアのスーパーハイトワゴン!? 注目モデルが目白押しなジャパンモビリティショー2025のBYDブースは要注目
三菱自動車、東京オートサロンに2台のカスタムEVを展示
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択