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「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは


TEXT:桃田健史

「58協定」未加入国のクルマを日本で販売するためのからくり

日本で海外のクルマを販売するとなった場合、安全上の観点から、一定の条件を満たした車両しか販売することができない。その際に用いられるのが、「1958年協定」や「1998年協定」といった制度だ。

協定の目的は次のとおり。

「車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る調和された技術上の国際連合の諸規則の採択並びにこれらの国際連合の諸規則に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定」

2025年1月現在、58年協定に加入しているのは61カ国と1地域。その多くが欧州で、欧州連合も含まれる。また、アジア圏では日本、韓国、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンなど。つまり、アメリカや中国が含まれていないのだ。

そうなると、アメリカや中国で生産して現地での型式認証を得たクルマは、日本でそのまま販売することができず、新たに日本で型式認定を取る必要がある。その場合、クラッシュテストを含めて膨大なコストと時間を要するため、一般的には「58協定」の未加入国のクルマを日本で、型式指定を受けた状態で販売することが難しいとされている。

また、「58協定」以外に「1998年協定」がある。「車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る世界技術規則の作成に関する協定」のことだ。日本、アメリカ、EUが原案を作成し、国連で1998年に採択された。98協定には、日本、アメリカ、EUのほか、中国やインドも含まれる。

これら「58協定」と「98協定」について、話し合う場が国連欧州経済委員会の「自動車基準調和世界フォーラム」(通称:WP29)だ。

近年、自動車産業の国際化が進み、自動車メーカーや自動車部品メーカーが世界各地で生産した完成車や部品を国境を越えて物流させることが当たり前となっており、型式認証の相互補完や各種の基準調和の重要性が増している。

その上で、海外で生産した自動車を日本に輸入して販売するにはどうすればいいのか? 日本自動車輸入組合(JAIA)の資料によれば、大きく3つの方法がある。

ひとつ目が、型式指定制度だ。58協定によって海外ですでに型式許可を受けた構造装置等の審査が省略される。アメリカ生産車を扱う日本ゼネラルモーターズと、中国生産車を扱うBYDオートジャパンによれば、それぞれEUの型式認証を受けて日本市場に新車を輸入する形をとっている。

ふたつ目が、輸入自動車特別取扱制度(略称:PHP)である。これは、自動車の輸入を促進するため、日本国内で少数販売される輸入車のみに適用される。提出書類が簡素化されるなど型式指定制度よりも簡便なものだ。適用されるのは、1型式につき年間販売台数は5000台まで。

そして3つ目は、共通構造部(多仕様自動車)型式指定制度だ。これは、大型トラックやバスを対象としたものである。

このように、海外から自動車を輸入する際にはさまざまな取り決めがあるのだ。

桃田健史

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