EVを長期保管するときはどうすればいい? 電気自動車(EV)を稼働させずに長期保管することは、基本的にはエンジン車ほど面倒ではないといえるかもしれない。オイルや冷却水といった日常的に管理すべき項目が省かれるためだ。 一方、EVのカギを握るバッテリーには、管理上の注意が必要だ。まず、満充電で放置しないことである。また、放電状態でも放置してはならない。これは、リチウムイオンバッテリーの特徴でもある。EV以外の、たとえば昔ながらの補器用バッテリーである鉛酸式は満充電で保管するほうがよいとされる。バッテリー管理は、種類によって異なることをまず知っておくとよい。 そのうえで、リチウムイオンバッテリーはどうすればいいのか? 日常的な利用も同様だが、100%でもなく0%でもないという、中間的な充電状態がリチウムイオンバッテリーにとって最良の保持の仕方だ。普段使っているときも、80%を目途に充電を終えるとよいといわれる。とはいえ、EVで出かけるときは、100%充電での走行距離を期待する。そこで、出かけるときには100%充電し、あまり間を置かずに出発することだ。 日産自動車の電気系技術者によれば、200Vの普通充電を利用するうえでは、100%充電を繰り返してもバッテリー劣化は懸念するほどではないと述べられている。EVを長期保管する場合も、充電は50~70%の間にしておくとよいとされる。リチウムイオンバッテリーの充放電は、正負電極間をリチウムイオンが移動することで行われるが、どちらの電極にもリチウムイオンが集まりすぎないようにするということだ。 100%充電したまま放置すると電圧が高くなり、容量を低下させる一因になる。逆に0%というような放電状態では、セルの破損を招く懸念がある。それによって危険な状態になったり、充電できなくなったりする可能性もある。食べ過ぎても腹を壊すし、空腹過ぎれば身動きできない。そんな人間の様子に通じると理解すれば、快適な休眠状態は、腹八分というか、適度な満腹感を保つと心得るといいだろう。 そのうえで、数カ月も走らない状況が続くようであれば、普通充電のケーブルをつないでおくと、クルマの状態が保持される。その際、満充電になってしまわないよう、バッテリーの充電範囲を50%前後に保つ設定を、アプリケーションなどであらかじめしておく。そうすると、充電量が減れば自動的に充電を開始し、設定充電量になると自動停止。バッテリー容量を常に保持するようになる。 補器を動かす12Vバッテリーも、電圧が下がると駆動用のリチウムイオンバッテリーから補充電する仕組みになっており、長期保存の際も、普通充電ケーブルを接続しておくことで、駆動用バッテリーだけでなく12Vバッテリーも保持されることになるため、次に動かそうとした際にも起動できることになる。ただし、駆動用バッテリーから12Vバッテリーへ停車中も補充電する機能のないEVもあるので、車種ごとに確認しておくとよい。 エンジン車の場合のように、12Vバッテリーを安易に外してしまうと、システムの制御自体に影響を及ぼす可能性がある。これはハイブリッド車(HV)も同様だ。倉庫に保管するというのではなく、自宅で長期乗らない可能性がある場合は、電気は繋げたままというのがEVならではの要点だ。 以上が、EVでの基本である。

































