EVは長期保管後の復活の際にも手間が少ない
次に、車両としての観点から、EVは駆動用バッテリーの重量増があるため、長期保管ではタイヤへの負担を軽視できない。エンジン車でも、長期間乗らない場合はジャッキアップなどしてタイヤを地面から浮かせるようにするが、EVではより配慮する必要がある。ただし、ジャッキアップや、ジャッキスタンドの設置は、車両重量が重いだけに、EVではより慎重に作業を行うことだ。
そのほかは、エンジン車などと同様に、外板塗装に傷が付かないようなカバーをかぶせたり、室内をきれいに保ったり、可能であれば屋根付きで温度差の大きくならない環境で保管するとなおよい。
EVには、EVならではの長期保管の要点はあるが、逆にバッテリー管理さえしっかり行えば、想像以上に長期保管に堪え得るクルマでもある。
かつて、米国のフォード社創業者であるヘンリー・フォード社長の妻であるクララ・ブライアント・フォードは、デトロイト・エレクトリック社の1914年型EVの愛好者だった。
大衆のためのT型を1908年に世に送り出したフォードではあったが、当時はまだ女性にとって運転しやすいクルマはEVだったのである。操作だけでなく、騒音の小ささも魅力であっただろう。
そのEVが、ヘンリー・フォード・ミュージアムに保存され、60年後に再び動かそうとした際、鉛酸バッテリーを新品に交換しただけで走り出したという。そして40km/hで128kmを走ったというのである。
エンジン車であれば、オイル交換はもちろんのこと、60年も稼働しなければ、エンジンや変速機の分解整備が必要だったかもしれない。少なくとも、ガスケットは交換しなければ、混合気の圧縮が十分できなかったのではないか。
そのような手間をかけずとも、EVは蘇ったのである。
今日では、リチウムイオンバッテリーという高性能バッテリーを使い、情報通信や自動化された操作系などもあるので、簡単ではないとはいえ、そうした電気系さえ配慮すれば、長期保管がより可能なクルマであるといえるのではないか。
























































