試乗
share:

EQBはIQ高め!? [メルセデス・ベンツEQB試乗記:その3]


TEXT:生方 聡 PHOTO:WEB CARTOP, 生方 聡
TAG:

使える回生ブレーキ「D AUTO」

減速時に運動エネルギーを電気に変えて航続距離を伸ばす回生ブレーキ。上手く使えばドライバーの負担を減らせるため、その善し悪しがクルマの評価を左右することもある。もちろんEQBにも回生ブレーキ機能は備わっていて、その強さをステアリングホイールのパドルで選ぶことが可能だ。

回生ブレーキの強さは、標準の「D」に対して、弱めの「D+」、強めの「D-」、そして、走行状況に応じた最適な減速が得られる「D AUTO」の4段階。どれを選んでも、回生ブレーキだけでクルマを停止することはできず、最終的にはブレーキペダルを踏んで停車させる必要がある。

標準のDでも十分な減速が得られ、通常の運転ならアクセルペダルの操作だけで速度調整が可能だ。D-ではさらに強めの回生ブレーキが効くが、アクセルペダルの動きに敏感に反応するぶん、扱いにくく思えるかもしれない。一方、D+はかなり弱く、エンジン車の感覚で運転したい人にはお勧めである。

パドルの一方を長引きするとD AUTOに切り替わるが、これがなかなか優秀。レーダーが捕らえた先行車両との距離や、登坂・降坂といった走行状況に応じて、システムがコースティング(惰力走行)から強めの減速まで、最適な強さで回生ブレーキをかけてくれるのだ。微妙なアクセル操作は不要で、ドライバーはアクセルペダルから足を離すだけでいい。

たとえば、交通量の多い道路を走行中、先行車との間隔が詰まってきたときにこれを使えば、適度な車間距離を保ってくれる。とくに、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(いわゆるアダプティブクルーズコントロール)を使用すると車間距離が空きすぎる場面では、より狭い車間距離を維持しやすいのがうれしいところだ。ただ、先行車がない場合はコースティング(惰力走行)するので、カーブで減速したいときや、先行車がいない状態で信号で止まろうとしても回生ブレーキが働かないのは要注意。その場合はDやD-に切り替えるか、フットブレーキを使う必要がある。それでも、“IQ高め”のD AUTOは、回生ブレーキをあまり意識しなくても有効利用できるという点で、かなり便利な機能といえるだろう。

Mercedes-Benz EQB 350 4MATIC

全長:4,685mm
全幅:1,835mm
全高:1,705mm
ホイールベース:2,830mm
車両重量:2,180kg
前後重量配分:前1,070g、後1,110kg
乗車定員:7名
交流電力量消費率:163Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:468km
システム最高出力:215kW(292ps)
システム最大トルク:520Nm
フロントモーター最高出力:143kW/5,800-7,600rpm
フロントモーター最大トルク:370Nm/0-3,600rpm
リアモーター最高出力:72kW/4,500-14,100rpm
リアモーター最大トルク:150Nm/0-4,500rpm
バッテリー電力量(NET):66.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:4WD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ディスク
タイヤサイズ:235/45R20
最小回転半径:5.5m
荷室容量:110L
車体本体価格:9,060,000円



TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
新車価格約3000万円も補助金を使えば半額で買える! トヨタのカワイイ新世代モビリティ「eパレット」の販売がスタート
more
コラム
世界に衝撃を与えたアイオニック5Nをさらに超える6Nが公開! その恐るべき実力とは?
EV時代にゴロゴロ出てくる新興メーカー! 魅力はあるけど老舗ブランドにはない「危険性」もある!!
リチウムが入手困難ならナトリウム! いま注目を集める「ナトリウムイオン電池」ってどんなもの?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
マンションでもEVが身近になる! 官⺠連携で既存マンション全274駐⾞区画にEV充電コンセントを導⼊した事例リポート
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択