インタビュー
share:

ボルボの部門責任者が語る「サステナビリティ」のあり方とは


TEXT:田中 誠司
TAG:

サステナビリティ責任者のステュアート・テンプラー(Stuart Templer)氏

サステナビリティの3つの柱

私たちは3つの柱を掲げています。まず気候変動対策では、2030年までに完全な電気自動車会社になり、2040年までにバリューチェーン全体で気候変動に影響を与えない企業になることを目指しています。

私たちは完全な電気自動車のライフサイクル分析を行いました。確かに、バッテリーEVはICE(内燃エンジン)車より生産時に70%近く多いCO2排出量を生み出すと言われています。しかし走行時の排出ガスを含めれば、ライフサイクル全体では、充電に使われる資源に関わらず、ICEより低い二酸化炭素排出量となります。昨年11月、CEOのジム・ローワンが、2025年までに自動車のライフサイクルCO2排出量を40%削減するという目標を発表しました。これは、テールパイプ・エミッションだけでなく、オペレーションやサプライチェーンの排出量も削減するということで、2018年以降、順調に削減を進めています。

第二に、循環型経済です。私たちは、貴重な材料、鉱物、部品をより有効に活用する必要があります。そのためには、自動車内のリサイクル素材を増やし、部品を再製造、修理して再利用し、循環できる材料のループを作り上げることが必要です。アルミニウムやスチールはリサイクルされ、私たちの生産工程に戻されます。

循環型ビジネスモデルでは製品をより有効に活用する必要があります。つまり、カーシェアリング・サービスやサブスクリプション・サービスが含まれます。2025年までに、この循環型経済の原則を採用することで、年間約10億スウェーデン・クローネ、米ドルに換算して年間約2億ドルを節約するだけでなく、年間250万トンの二酸化炭素排出を削減することを目指しています。つまり、循環型経済には経済的な意味と環境的な意味があるのです。

そして最後の要素は、倫理的で責任あるビジネスのリーダーになることです。これは、まず、より多様で包括的な労働力を生み出すことを意味します。また、調達活動においては、責任ある調達を優先し、調達する材料や部品が環境と社会に与える影響を最小限に抑えるようにすることを意味します。持続可能な開発目標を達成するためには、資金調達も不可欠です。EX 90の資金の一部は、私たちの2回目の5億ユーロの「グリーンボンド」によって賄われました。

<つづく>

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
新型ソルテラは性能大幅アップなのに大幅値下げ! めちゃくちゃお得な内容にライバルはどうする?
そりゃ中国がEVで世界をリードできるわけだ! 日本との違うはひとえに「国策」にアリ!!
モニターもなきゃ急速充電もない……がなんの問題もない! N-ONE e:のエントリーグレードは「EVの本質」を追求したクルマだった
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
使い慣れた軽バンだからEVになっても同じスタイルを踏襲! 見た目は変わらないのに中身大変化のスズキ「eエブリイ」が日本中を走りまわる日も近い【ジャパンモビリティショー2025】
膨大なAWD開発データが「最高に気もちいい」BEVを生み出す! 「パフォーマンスE STIコンセプト」はスバルらしさを際立たせたコンセプトモデルだった【ジャパンモビリティショー2025】
黒船はBYDの軽EVだけじゃかなった! Kiaが商用バン「PV5」で日本のEV市場に殴り込み【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択