EVヘッドライン
share:

日本製EVがアメリカでの税優遇から除外……デイリーEVヘッドライン[2023.04.07]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:

米財務省が「インフレ抑制法」による減税指針を発表
北米生産以外のEVは税優遇の対象とならず

【THE 視点】米財務省は3月31日、消費者がクリーンビークル(EV、PHEV等)を購入する際の税優遇の指針を発表した。いわゆる「インフレ抑制法」で、日本・欧州・韓国が求めていた北米以外で生産した輸入車への優遇適用が見送られた。

これにより、措置が見送られた国の車両は税優遇を受けられないまま販売を継続するか、北米で現地生産に切り替えるかの判断を迫られることになる。ただし、バッテリーに使用される重要鉱物の割合を北米産とした場合など一部税優遇を受けられる措置は、日本などの要求を受け入れた。

このインフレ削減法の対象となる北米産の車両は、最大7,500ドル(約100万円)の税優遇を受けられることになる。ちなみにフォードからは、ピックアップEVの「F-150ライトニング」で7,500ドル、乗用EVの「マスタング・マッハ-E」で3,750ドルの税優遇となるとの発表があった。

今回のアメリカでの税優遇の対応については、EVの販売拡大が著しい中国に対抗するとともに、国内の産業振興にもつなげたい狙いがあると思われる。

日本・欧州・韓国は北米での工場建設に動き出しているが、今回の指針が23年4月から始まることから、しばらくの間はアメリカでの販売において苦戦をしいられることになる。

これまで日本政府もアメリカと交渉はしてきたが、結局は受け入れられなかったという残念な結果となった。日本国内での販売よりも輸出の方が多いメーカーもある。日本メーカーにとっては今後販売台数に大きく影響が出ることが予想される。

日本にも、CEV補助金[詳しくはこちらがあるが、生産国による差別はされていない。来年以降の改善を望まざるを得ない。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★フォード、米インフレ抑制法を受けて税額控除対象になるEVを発表……「F-150ライトニング」「マスタング・マッハE」「E-トランジット」の3台、各車クレジットも決定

★★ステランティス、EVピックアップトラック「ラム1500REV」を発売……バッテリー容量168kWh/航続距離563kmと229kWh/804kmの2種類を用意詳細はこちら<click>

★アウディ、リユースバッテリーを活用した充電拠点「アウディ・チャージング・ハブ」をドイツ・ベルリンに開設……最高出力320kWの急速充電に対応した3番目の充電ハブ、既存の電力インフラをそのまま利用

★自動運転EVのチューリング、「J-Startup企業」に選出……経済産業省主導のスタートアップ支援施策、「世界の自動車業界進出に向けた高い技術力」などが評価

★メルセデス・ベンツ、スウェーデンの極寒地で次世代のブレーキシステムをテスト……EVモデルへの使用を見据えた開発詳細はこちら<click>

★東洋紡と三菱商事が合弁会社「東洋紡エムシー株式会社」を設立・事業開始……車両の軽量化が可能な高機能樹脂開発など推進

★西武バス、EVバス2台の運行を4月上旬から開始……[清63] 清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地系統に導入予定、安全性対策済み

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
これがジャガーの未来を示すコンセプトモデルだ! 過去の価値観を鮮烈に塗り替えるEV「TYPE 00」発表
ホンダから似て非なる2台の電動2輪「ACTIVA e:」&「QC1」がデビュー! 2030年までに30車種投入するうちの12・13車種目の注目ポイントとは
「レンジローバー初のEVモデル」誕生に向けて灼熱テスト! 「レンジローバー・エレクトリック」プロトタイプの性能はすでに内燃機関モデルを超えていた
more
コラム
オイル交換もないしブレーキパッドも減りにくい! EVはエンジン車よりも「維持費が安い」は本当か?
あと数年でモータースポーツからエンジンは消える? 本格EV時代を占う
10ベストカーのうち3車種はBEV専用車! 日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025は過去最大のEVイヤーに
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択