CEV補助金を利用すれば実質300万円台で購入可能
アット3は駆動用バッテリーから電力を取り出して利用できる「V2L」や「V2H」に対応している。AC100、最大1500Wの交流が利用できるV2Lは、別売りのV2Lアダプターが必要となるが、4万4000円と手頃な価格なのがうれしい。
こうした外部給電機能を備えるおかげで、アット3の「クリーンエネルギー自動車購入補助」(以下、CEV補助金)は、発売当初は85万円の満額だった。しかし、2023年4月以降に登録した場合は65万円に減額される。これはアット3がPHP(Preferential Handling Procedure)と呼ばれる制度を利用しているため。このPHPは年間の販売台数が5000台以内の輸入車に対して特別に設けられた認証制度で、型式指定に比べて簡素な手続きで日本での販売ができる仕組みだ。
ただ、この4月からはPHP制度を利用した輸入EVでは補助金の上乗せ分がなくなり、外部給電機能を持たないEVと同じ補助金の額になってしまうのだ。BYD JAPANでは、「なるべく早期にBYD アット3の型式指定を取得するべく準備を進めています」ということなので、今後の動きを見守りたい。
それでも、アット3の車両本体価格は税込み440万円とお手頃なうえに、ここからCEV補助金を差し引けば、400万円を切る価格で最新EVが手に入ることになる。しかも、その性能はライバルと比べても遜色はなく、ブランドにこだわらなければ“買い”といえるだろう。とくに、高価格がEV購入のハードルになっていた人にとっては、望みを叶える一台になるに違いない。
BYD ATTO 3
全長:4,455mm
全幅:1,875mm
全高:1,615mm
ホイールベース:2,720mm
車両重量:1,750kg
前後重量配分:前950kg、後800kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:139Wh/km(WLTCモード)※BYD調べ
一充電走行距離:470km
最高出力:150kW(204ps)/5,000〜8,000rpm
最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0〜4,620rpm
バッテリー総電力量:58.56kWh
モーター数:前1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:FWD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ディスク
タイヤサイズ:235/50R18
最小回転半径:5.35m
荷室容量:440L
車体本体価格:4,400,000円