高性能を誇る一方、ハンズフリーにも対応
今回の発表では、具体的な生産台数は公表されていないものの、フォードはマスタング・マッハ-Eの生産台数を「大幅に増加する」とし、値下げ・増産によりさらなる拡販を図る。背景には、EVナンバー1ブランドであるテスラはもちろん、ヒョンデ、キアの台頭など、EVの販売競争が激化してきていることが挙げられるだろう。
マスタング・マッハ-Eは、優れた加速性能と長い航続距離(約480km)に加え、BlueCruise(ブルークルーズ)と呼ばれるハンズフリーに対応した高度な運転支援機能を備えている。システムは、無線によるソフトウェアのアップデートが可能で、この分野で先陣を切ったテスラを追撃する。
今回の価格引き下げと増産について、フォードのCCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)のマリン・ジャジャ氏は次のように述べている。
「私たちはどのメーカーに対しても譲歩するつもりはありません。納車待ちの期間を短くすると共に、競争力ある価格を実現し、お客さまに唯一無二のエクスペリエンスを提供します」
なお、フォードは2016年に日本市場から撤退しており、マスタング・マッハ-Eについても当面は正規輸入が見込めないのが残念なところだが、将来的にはフォードの再上陸の可能性もあるかもしれない。
とりわけEVについては、ハイブリッド大国の日本ではそれがメインストリームにはなっておらず、そこにビジネスチャンスを見出すメーカーが現れる可能性はある。すでにBYDなど名乗りをあげているEV専売ブランドもある。また、先日はテスラが大幅値下げを発表し、競争力を高めてきた。十分な航続距離を確保しつつ、価格を如何に引き下げられるか。その戦いにフォードが加わってくる可能性も否定できない。
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